取締役の最大人数と任期を決めましょう
会社設立にあたり、取締役の最大人数と、任期を決めましょう。
取締役の最大人数
取締役の最大人数を定款に定めておくと、取締役の数をそれより増やすためには、定款変更のための株主総会特別決議が必要となりますので、取締役の人数について一定のけん制を行うことができます。
取締役の最大人数が多い場合のデメリットとは何でしょうか。
それは、会社のっとりのようなことが起きたときに関係してきます。
敵対的な株主が現れて、株主総会で、自分の息のかかった取締役を送り込んで会社をのっとろうとしますが、このときに取締役の最大人数が多いと、普通決議で息のかかった取締役をどんどん増やすことができます。ところが取締役の最大人数が必要以上に多くないと、まずそれ以上の取締役を送り込むことができませんので、のっとることが難しくなるのです。
ですから、取締役の最大人数は、必要以上に余裕を持たせて大きくしない方がよいでしょう。将来、人数が足りなくなったとしても、株主総会の特別決議で変更することができますし、これは変更登記は必要ないので、そのときの実情に合わせるのがよいでしょう。
取締役の任期
次に取締役の任期を決めましょう。
取締役の任期は、旧商法では2年とされていました。それが、会社法になって、原則2年、定款で定めた場合は最長10年と改正されました。
取締役の任期の延長は、そのメリットデメリットを考慮して決めましょう。
まず、任期の2年間は、基本的にはその取締役に会社の経営を株主が委任することになりますので、取締役がよほどのへまをやらかさない限りは簡単には解任できません。もちろん、株主総会の普通決議で解任することはできるのですが、正当な理由がなければ残りの任期の報酬について損害賠償請求される可能性があります。
ですから、任期をあまり長くするのも考え物です。
次に、任期が終了すると、その都度株主総会で、新たな取締役(同じ人でもかまいません。)を選任する必要があり、これは変更登記が必要になってきます。
ですから、任期が短いのも、手間と手数料を考えるとデメリットがあります。
皆さんは、上のメリットデメリットを考慮して、任期を決めるとよいでしょう。
知人関係で会社を設立するときは、任期を2年にして、その都度定期チェックを行うとか、親族のみで会社を設立するときは、任期を10年にして取締役選任の手間と手数料を抑えるとか、またはその間を取って、5年くらいに決めてしまうとか、検討してみてください。