種類株式のメリット
種類株式のメリットは、一言でいうと資本政策にあります。
資本政策とは
資本政策とは、株式公開時の株主構成や発行済株式総数、公開前および公開時の資金調達額などの目標達成に向けて、どのタイミングで、どのような手法を選択するかを計画した財務戦略などといわれています。
定義はいろいろあるようですが、株式公開を考えていない起業の場合は、「経営権の確保のための政策」と言ってよいでしょう。
資本政策における種類株式の活用方法
たとえば、譲渡制限種類株式を利用すれば、ある株主、種類株式についての株式譲渡については、株主総会、取締役会の承認を得なければできないようにすることができるため、経営権確保につながります。
議決権制限種類株式を利用すれば、ベンチャーキャピタルなどの特定の株主について、議決権を制限することで経営権を確保することができます。
また、取得条項付種類株式を利用すれば、好ましくない株主により株式を取得された場合に、会社が株式を強制的に取得することで経営権を確保することができます。
拒否権付種類株式を利用すれば、会社の重要事項については、種類株主の承認がなければ決議できないようになりますので、言い換えればオーナーがこれをもっていれば、拒否権を保有できますので、経営権を確保することが容易になります。
そのほか、経営権を確保しながら株主の処遇を変えて出資しやすくするために、配当等種類株式や取得請求権付種類株式を活用することもできます。